プロダクト開発の社内向けラジオを始めた
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序
会社の環境とは日々変わっていくもので、以前にやっていた取り組みが一年経つと形態が変わったり、他のものと統合されたりして新しくなっていたり、なくなっていたりということはざらにあると思います。
会社が大きくなる中で全体の知識レベルを平準化する、それも情報が増える中でとなるとある程度情報の取捨選択が発生します。これは受信側の人がどの情報にアクセスすべきかという判断もあるかとは思いますが、発信側の人がどの情報を発信すべきかという点は更に大事なことのように思います。
そうするとどうしても「概要」を伝え「詳細」までリソースの制約で踏み込みきれないということはままある気がしていて、プロダクト開発の現場感に関してもどうしても広範囲に向けては状況をお伝えするまでが精一杯だなと最近感じてたところでした。所属する会社では毎月振り返り会があり、そこでプロダクトの概況は必要な分が広く共有されています。
私が詳細と書いたところは言葉にすると必要以上の情報にある「余白」のようなもののような気がします。
課題感
必要な分が共有されていると書いたとおり、特に大きな課題があると感じたわけではありませんでした。「余白」をどう考えるかというところが課題感につながるところかなと思います。
プロダクトを中心に価値を提供している会社なので、開発チームはいうまでもなくですがサポートチームやビジネスを見ていただいているチームにもプロダクトの状況だったり、現場感だったり、何に喜び、何に難しさを感じているか知ってもらうことは大事なことのように思います。
情報を伝えることに関しては、協力して課題解決に繋げられるかもしれないという点がまずあがるとおもいます。またプロダクトは人が作っているものなので、生っぽさというか温かみみたいなものを感じてほしいというところもあります。自分にはプロダクトに関する愛はない方の人間だと思っているんですが、愛着はあると感じていて、その愛着のようなものをもしよかったらプロダクトに関わる人に感じてもらいたいという気持ちがありました。
現在、その愛着のようなものが希薄と感じているわけではなく、今後さらに仲間が増えていった時にただの仕組み・システムと言う存在になってしまうかもしれないということを恐れているのかもしれません。そうなるかとかは全然わからないんですけどね。
具体のアクション
その生っぽさっていうのはつまり手触り感だと思うんですが、何を考えて、どうしているかのようなところを発信して手の届くところに置いておくのがいいんだろうなと思っていサラッと検討したのは
- 文章の形式
- 動画の形式
- 音声の形式
だったんですが、
文章に関しては、このコロナ化でドキュメントに関しては流量が結構多いため流されてしまうかなと考えました。あとは生っぽさという文脈で削ぎ落とされるものが多く、ちゃんと伝えたいものを簡潔に記すメディアだと思いました。
動画に関しては、視覚・聴覚を奪ってしまうため拘束力が強いと感じました。バランスとしては与えなくてはいけない情報というよりは+αなコンテンツになるかなと思っていたので、時間を奪うものではないほうが良いと感じました。動画もどちらかというと「集中」してもらう必要があって重要な事項を伝達するメディアだと感じました。
最後に音声に関しては、聴覚を奪ってしまうのですが自分自身や周りの人も割とラジオや音楽を聞きながら仕事しているので良いのではないかとなりました。生っぽさを維持しつつ、聞き流せて気になるところだけ聞き耳立ててもらえるようなものになると良いなと。
というわけで方法は音声を選んだので、社内向け月イチラジオを目論んでみた。
スモールスタートを目指す
社内にPODCAST配信者がいたりするので、きっちりやればちゃんと配信したりフィードを用意したりできたと思うのですがまだ録音もしてないし、これが良いか悪いかもまだわかってない状態なのでどうしたら聞いてもらえるかみたいなことを考えました。
話すテーマを集める
プロダクト開発のことについて知ってほしいので、とりあえずmasterにマージした変更を眺めるところからはじめました。愚直に git log
でおっていくとマージコミットがあったりとしんどいのでTOPICが見やすいように
$ git log \
--merges
--since="2021/02/01"
--until="2021/02/28"
--pretty=format:'%Cred%h%Creset %b green(%cd) %C(bold blue)<%an>%Creset'
--abbrev-commit --date=format-local:'%Y/%m/%d %H:%M:%S'
で探しました(別プロダクトチームの人がtimesチャネルで教えてくれました、見やすい!)。
リリースしたものの確認をしつつ、広範囲にお知らせはしてないけれど実はこういうところが改善されていますみたいなものを拾って話題リストの中に組み込んだりしました。
一緒に喋ってくれる人を探す
standfmで数回配信をしてみてるんですが、一人でしゃべるの絶対面白くない自信があったので募ったらプロダクトマネージャー二人が快諾してくれたので3人でお話をしました、本当に安堵した。ありがとう。ありがとう。
とりあえず録る
とりあえず録りました。
方法はGoogle meetの録画機能を使ってオンラインMTGの要領で普通に30分ぐらいお話をしました。
録画を停止すると動画ファイルが出来上がるので、Macに入っているQuickTime Playerで音声ファイルだけ抜き出しました。できた。完成。
ちょっと物足りないので
そのままでも別に聞けるものはできたので良かったんですが、ちょっと遊び心がでてしまいstandfmのようにBDMを差し込みたくなってしまいました。
これまたMacにはGarageBandというDTMツールが入っているので、音声トラックを載せてそこにBGMをくっつけました。小さなこだわりは波形を見ていただくとわかるかもしれないんですが、先頭と最後にフェードをつけて始まり感終わり感を演出しました(standfmへのリスペクト)。告知
これでmp3ファイルが完成したのであとは告知するだけ。slackは音声ファイルを置くと勝手に再生UIで表示してくれるみたいなのでそれをやりつつチャネル遷移すると再生が止まってしまうので、Google Driveに音声ファイルをおいておいてそれを再生してもらうようにしました。
軽い気持ちで聞くようにめっちゃ念押ししました。フィードバック
金曜日の夕方だったんですが突然投げたのですぐ反響いただけました。そしてみんなやさしかった。一例ですが
- 「1.5倍再生で再生したい」
- 「耳よりも目で文章読むほうが好きなタイプだったのですが、最後のトークで言ってた「耳の方がプロジェクトの温度感が伝わりやすい」っていうのはたしかに!となったし実際伝わりました」
- 「ラジオなのが良かったです。動画だったら目線持ってかれて集中できなかったかも」
- 「CSに寄せられる声をみて、その場で、対策をディスカッションするとかとても面白そう。」
- 「1.5倍再生で再生したい」 などなど、要望も含めていただけたのでありがたかったです。口頭でわざわざ伝えてくれる人とかもいたり、別なチャネルで熱いコメントと要望をいただけたりしました。
トライ & プランニング
まずトライですが、
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いろいろな人に聞いてもらえたので来月も続けてみる
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1.5倍速対応
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フィードバックで定性評価はもらえたけれども、Google Driveだと再生数などの定量的な数値がとれなかったので取りたい そして次回としてのプランニングとしては
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来月また録る
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ゲストの招致
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オペレーションの改善(一月分の話題抽出がちょっと大変だった) をやっていきたいと思います。
結び
感想の中に「温度感」だったり「ラジオだったのでよかった」という言葉がいくつかあり、狙ったところを見てもらえていたのがよかったです。
思い立って公開するまで1週間実際に動いたのは業務の隙間に二日間で数時間だったので割とスピード感を持って動けたのも良かったと思いました(考えすぎると恥ずかしくなってきて実行できなかったかもしれない)。
引き続き、直接プロダクト開発に関わってないチームのみんなにむけて日々どんな事を考えながら開発をしているかお知らせできたらいいなと思っています。
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